股関節脱臼とは
股関節脱臼とは、大腿骨頭が股関節(寛骨臼)から外れてしまう状態です。
交通事故や転落、他の動物との衝突などの強い外力が原因となることが多く、突然後肢をつけなくなる、強い痛みを示すなどの症状がみられます。

股関節脱臼整復
全身麻酔下で関節を元の位置へ戻す非観血的整復を鎮静下にて実施しました。
整復後は再脱臼を防ぐためにエーマー吊り包帯(Ehmer Sling)による外固定を行いました。

再脱臼
股関節脱臼では、約30~50%の症例で再脱臼や整復の維持が困難になると報告されています。
本症例においても、股関節形成不全により寛骨臼が非常に浅く、残念ながら1週間ほどで再脱臼を認めました。
大腿骨頭切除術(FHO)
疼痛の改善と歩行機能の回復を目的に大腿骨頭切除術(Femoral Head and Neck Ostectomy:FHO)を実施しました。

この手術では、大腿骨頭と大腿骨頸部を切除することで、骨同士が直接ぶつかることによる痛みを取り除きます。
術後は多くの症例で日常生活に支障の少ない歩行機能が得られます。
特に小型犬や猫では良好な成績が期待され、満足できる歩行機能まで回復する症例が多く報告されています。
術後管理
術後は十分な疼痛管理を行いながら、無理のない範囲で徐々に患肢を使うことが大切です。
当院では、一時的にフェンタニルパッチという麻薬も使用し、疼痛を抑えた上でリハリビデーションを行います。
本症例では、幸い術後翌日にはやや庇いながらも患肢を使って歩行ができるようになりました。
当院より
当院では、年齢、体格、活動性、受傷状況などを総合的に評価し、それぞれの動物に最も適した治療方法をご提案しています。
後肢を突然挙げて歩く、強い痛みがある、事故や転落後に歩けなくなったなどの症状がみられる場合は、できるだけ早めの受診をおすすめします。
☎️011-872-7171
札幌市白石区北郷2条13-3-20
札幌総合動物病院きたごう院
獣医師 森文彦